日本一の酒どころ 灘の酒(灘五郷)
灘五郷が日本一の酒どころに発展したのは、第一に宮水に恵まれたことに加えて、他にも様々な酒造りの諸条件が重なり合ったことにあります。
灘五郷は大阪湾に面していて、浪速の地も近く、また瀬戸内海など流通に適していました。
そして海からの湿気と六甲おろしの寒風があり、そこに丹波杜氏の優れた技量が加わり、播州の酒米、吉野杉の香りなどが混然一体となって灘の酒を造り上げてきました。
近世中頃、江戸は武家の町であり、京や大坂が文化の中心として担ってきました。灘の酒は、樽廻船によって江戸に運ばれ、その上品なすっきりした風味が江戸の嗜好にぴったりあって、灘の酒の評判は日増しに高まっていきました。
灘酒「男酒」とも呼ばれています。
これは香味とともに荒削りで、舌触りがどことなく荒々しく男性的で押し味があり、腰がしっかりしているところからこのように呼ばれるようになりました。しかしこの酒質も夏の貯蔵熟成を経て秋になると、香味が整い、円熟味を増して馥郁とした香気とともに酒質は一段と向上し、酒質は一段と向上し、清酒の五味(甘・辛・酸・苦・渋)のすっきりまろやかな酒質になります。これがいわゆる「秋晴れ」「秋上がり」と呼ばれるもので、古くから「灘の生一本」として他には見られない灘酒の一大特徴となっています。
【水】
世界の酒どころといわれているところには、必ず酒づくりに適した水があります。ミュンヘンのビール、スコットランドのスコッチ、中国の紹興酒などがその例ですが、灘五郷には「宮水」という酒づくりに理想の水があります。
宮水が発見されたのは天保時代といわれますが、それ以来、俗に”秋晴れする”といわれる灘の酒が生まれました。秋晴れするというのは、灘のお酒が夏を越し秋を迎えるとますますその味が冴えてくるということです。
誌の秘密が宮水です。この宮水は、西宮市の海岸から1キロぐらいのところにある浅井戸から湧き、鉄分が少なく、リンやカルシウム、カリウムを豊富に含んだ硬水です。この水が、灘の芳醇なお酒をつくる働きについてはまだ謎の部分が多く残されています。現在の科学でも同じものがどうしても作りにくい神秘的な宮水は、灘五郷が持つ貴重な財産です。
【米】
お酒の原料となるお米は、私たちがごはんとして食べる「うるち米」と呼ばれる種類のものである。よいお酒をつくるためには、お米の精米度がとても大切です。しかし、並のお米ではどんなに精米度を高くしたからといって、その分だけお酒の味がよくなるということはありません。
宮水とともに、灘のお酒づくりに欠かせないのが播州平野で育った「山田錦」というお米です。このお米は大粒でやわらかく、しかも宮水になじみやすいことなどお酒づくりの要求をすべて満たしてくれるのである。粒のまんなかに、心白と呼ばれる固まったデンプン質があり、宮水につけておくとゆっくりと溶け、麹菌が中心に入りやすくできた麹は糖化しやすく、それでいてお米の形はまったくくずれていません。コシの強い、いわゆるコクのあるうまいお酒ができあがります。山田錦は全国の酒米のなかでも群を抜いた横綱といえるでしょう。
【技】
水は宮水、お米は山田錦という最高の原料に、「丹波杜氏」の技が加わってここに磨き上げられた灘のお酒が醸し出されます。杜氏は酒蔵で働く蔵人たちの長であり、工場長的存在です。その技術に関しては、蔵の主人でさえ口を差しはさむことができなかったということです。この杜氏のもとに選ばれた蔵人たちが集まって、ひとつの集団として働き、蔵ごとにお酒造りの技を競い合ってきたのです。
蔵人たちは、丹波、篠山地方の出身者が多く、農閑期を利用して酒造りにやってきた者で、杜氏との連帯感が強く、酒造りの秘法は連綿として後継者に伝えられていきました。
こうした伝統の中で、「丹波杜氏にあらざらば杜氏にあらず」という自信と気概がはぐくまれ、明治以後、丹波杜氏は技術的に遅れていた地方の酒蔵を指導するなど、日本酒のために活躍を続けてきました。日々に機械化がすすむ今日でさえ、杜氏は灘のお酒の味の決定者として、さらのその責任に重さを加えています。
【風土】
灘五郷とよばれるように、灘の酒蔵は、今津郷、西宮郷、魚崎郷、御影郷、西郷と、阪神間の海岸線に沿って飛び石のように点在しています。六甲山系から海にそそぐ夙川、芦屋川、住吉川、石屋川、都賀川、生田川の急流が、海岸に砂洲をつくりました。この砂洲はお酒造りに必要な、良質の水が得やすく、大きな蔵が建てられる理想の土地でした。昔はこれらの川を利用して、水車小屋を使って精米し、人力では及びもつかないほど精白度の高いお米を得ていました。
清らかなお酒を醸す必須条件は、精白度と低い気温です。灘五郷は冬になると六甲おろしをまともに受けます。肌を刺すような六甲おろしの寒気を取り入れるため、灘の酒蔵はたいてい棟を東西に長く伸ばし、窓は北向きに建てられています。
このように灘の酒造りには、恵まれた自然環境と人智との融合があらゆるところで見られ、ここに日本一の酒どころ灘五郷が生まれました。
【風土】
灘五郷とよばれるように、灘の酒蔵は、今津郷、西宮郷、魚崎郷、御影郷、西郷と、阪神間の海岸線に沿って飛び石のように点在しています。六甲山系から海にそそぐ夙川、芦屋川、住吉川、石屋川、都賀川、生田川の急流が、海岸に砂洲をつくりました。この砂洲はお酒造りに必要な、良質の水が得やすく、大きな蔵が建てられる理想の土地でした。昔はこれらの川を利用して、水車小屋を使って精米し、人力では及びもつかないほど精白度の高いお米を得ていました。
清らかなお酒を醸す必須条件は、精白度と低い気温です。灘五郷は冬になると六甲おろしをまともに受けます。肌を刺すような六甲おろしの寒気を取り入れるため、灘の酒蔵はたいてい棟を東西に長く伸ばし、窓は北向きに建てられています。
このように灘の酒造りには、恵まれた自然環境と人智との融合があらゆるところで見られ、ここに日本一の酒どころ灘五郷が生まれました。
【日本酒 健康と美容効果 灘の酒】
日本酒と健康 ~適量飲酒で予防で効果~
1.脳内活性(健忘症・老化予防)
日本酒醸造で用いる酵母の中に含まれている物質が、老人性痴呆症やうつ病、老化防止に効果的です。
2.心臓にやさしく(心筋梗塞・脳梗塞予防)
日本酒を飲むことで、血栓を溶かす働きを持つ物質が増え、血糖を下げる作用を持つ物質も見つかり、心臓病予防に非常に効果を発揮します。
3.胃腸にやさしい(ストレス解消・糖尿病予防)
日常生活では「本音」と「建て前」が喧嘩をしてストレスが生じます。
お酒を飲むと「建て前」がマヒし、ストレスが解消され、胃の健康を守るのに効果があります。また、日本酒には脂肪の分解を抑える働きがあり、糖尿病予防に有効です。
4。肝臓にもやさしい(がん抑制)
日本酒の中にアルコール性脂肪肝を予防する働きをもつ成分があり、日本酒のエキスががん細胞を死滅させ、がん抑制に効果があります。
日本酒と美容 ~日本酒効果があなたのキレイを応援します~
1.潤いを保つ
お風呂(37℃前後)にコップ2~3杯の日本酒を加えて入浴すると、しっとりお肌に保湿効果があります。
2.つやを増す
日本酒を楽しく飲むと血行がよくなり、皮膚全体に栄養分を届け、お肌を艶やかにします。
3.お肌を美しく
日本酒に含まれるアミノ酸や有機酸など100数種類の栄養成分には、美白効果などお肌を美しくするさまざまな美容効果があります。