神戸市立博物館(神戸市中央区京町)で「和(なごみ)のガラスーくらしを彩ったびいどろ、ぎやまん」展が開催される。《10月3日(土)~11月23日(日)》
日本で本格的にガラスがつくられ始めるのは、17世紀半ば。江戸時代のガラスは、”びいどろ”、”ぎやまん”と呼ばれ、当時輸入されていたヨーロッパ製のガラスや洋書を参考に発展してきた。かたちのゆがみ、青味や黄色味を帯びた無色のガラスの作例が見られるが、この素朴で、自然な造形は私たちはの心を惹きつける。
本展は、江戸時代の和ガラス”びいどろ”、”ぎやまん”を中心に、約160件を通じて、当時の人々がどのようにガラスを味わい、楽しみ、今日まで伝えたのかを浮き彫りにするもの。見るものを和ませ、素朴さや温もり、優しさに満ちた和ガラスーその魅力を伝える。
本展では江戸時代から明治時代前期の日本製ガラス工芸品約160点を展示。約40点の作品が初公開となる。
和ガラスとは、江戸時代から明治時代前期の日本製ガラス。カリ鉛、珪砂、硝石を原料とするカリ鉛ガラスをいう。
”びいどろ”=和ガラスの総称
”ぎやまん”=もともとは江戸時代に輸入されていたヨーロッパ製ガラスを指す言葉。ギヤマンの語源はポルトガル語の「ディアマンテ」で「ダイヤモンド」を意味する。
そして19世紀より日本製の切子(和製ぎやまん)も含むようになる。ヨーロッパのガラス製法から製造法が発展していった。
和ガラスの魅力
〇限られた情報のもとで製造された和ガラス
長崎貿易を通じてもたらされたヨーロッパ製ガラス器。ガラス製造法に関する書籍などを参考に製造法が発展
透明度の低いガラス生地/型に吹いた痕のざらつき、ゆがみのあるかたち
和ガラスの魅力は自然な造形、素朴さ、見るものを和ませる美、すなわち本展のタイトルとなる「和(なごみ)のガラス」である。
本展でのコンセプトは3つ
今では当たり前の存在の”ガラス”
①ヴァラエティ豊かな和ガラスを紹介
◎江戸時代にはどんな存在であったのだろうか?
◎どのようなものが作られていたのか?
②くらしを彩った和ガラスを浮き彫りにする
◎ガラス器はどのような場面で使用されていたのか?
◎当時の人々はガラス器をどのように愛で楽しんでいたのか?
文献資料、箱書きなどから読み解いていく
プロローグ
第一章 和ガラスのかたちーびいどろの製法
第二章 くらしの中の和ガラスー「たべる」「のむ」「かざる」「いやす」
第三章 和製ぎやまんー手彫り切子のかがやき
第四章 伝わる和ガラス
エピローグ ”びいどろ””ぎやまん”から”ガラス”へ